鵠沼Diary
谷川俊太郎さんと鵠沼高校
2024.11.22
鵠沼高校の校歌を作詞していただいた谷川俊太郎さんが、11月13日に92歳で亡くなられました。
2004年に本校が共学となるにあたり、新しい校歌の作詞を谷川さんに依頼しました。
そうして届けられた歌詞は、校歌という枠に収まらない、スケールの大きな作品となっていました。
(作曲は故・林光さん)
まぶしい今日を 明日へとつなぐ
朝ごとの 海のきらめき
とどろき うねり ささやき 歌い
海はいのちの 歴史を語る
ともに学び ともに育む
この星に 生きる知恵
ひとりじゃないと 教えてくれる
なにげない 君のほほえみ
喜び 怒り 悲しみ 笑い
人のこころは ゆたかな宇宙
ともに遊び ともに夢見る
この世界 満たす愛
校名が入っていなくても、不思議と鵠沼高校の雰囲気が感じられる歌詞。
知らず知らずのうちに、鵠沼高校は谷川さんの言葉に導かれるようにして、この21年間歩んできたということなのかもしれません。
2008年には、谷川さんが作詞した数々の校歌を集めた本『ひとりひとり すっくと立って』が出版され、本校の校歌も掲載していただきました。
その本を卒業記念品として当時の3年生(共学3期生)全員に贈った際には、谷川さんの署名もつけていただきました。
「ひとつひとつの言葉の奥にある心を考えながら歌ってほしいと思います」
県内の小学校の校歌を作詞した際、谷川さんはこのようなメッセージを添えています。
20年経った今でも、寄せては返す波のように、歌うたびに新鮮な響きをもって、絶えず私たちの心にうるおいを与えてくれる言葉の数々。
来春の卒業式では、谷川さんから受け取った心を大切に、感謝の気持ちを込めて歌いたいと思います。そしてこの先も、ずっと歌い継いでいきます。
谷川俊太郎さん、ありがとうございました。